助産師かこです。
今回は訪問看護ステーションで働いている助産師の私が、利用者様のご自宅に訪問しているときのお仕事の内容についてご紹介していきます。
「訪問」ってなんだ?
訪問看護ステーションでのメインのお仕事「訪問」とは、医師の指示のもと、利用者様のお宅へ訪問し、療養生活をサポートするお仕事になります。
病院のように患者さんを待つのではなく、看護師や助産師が利用者様の「生活の場」にお邪魔して、医療的ケアや生活支援を行うのが大きな特徴です。
そのため、利用者様ご本人だけではなく、ご家族の状態も含めてアセスメントをしていきます。
訪問した際の利用者様の状態によっては主治医とこまめに報連相をしたり、必要に応じてリハ職の方々や保健師さん相談員さんと連携して多職種でサポートをしていきます。

「訪問看護」というと、利用者様がご高齢のイメージをされることもありますが、
私は、赤ちゃんや思春期など小児・精神特化型のステーションで働いています。
訪問の内容
では実際に、どんなお仕事をしているのかをご紹介していきます。
健康状態の観察
訪問時にはまずバイタルサイン(体温・血圧・脈拍・呼吸・SpO2)を測定し、利用者様の状態を確認します。
顔色や表情、呼吸状態、皮膚の状態、いつもと違うことはないか丁寧に観察したり、訪問前の状態をご家族と共有したりしていきます。
医療処置・ケア
「病院じゃなくても医療処置ってするの?」と思われる方も多いですが、訪問看護では医師の指示のもと、利用者様のご自宅で様々な医療的ケアを行っていきます。
例えば、
- 経管栄養
- 褥瘡ケア
- 胃瘻管理
- 吸引
- 吸入
- 気管カニューレ管理
など実施していきます。
ケアの内容は訪問先によって異なります。利用者様やご家族によって困りごとは様々なため、優先順位を考え、訪問時間の許す限りのケアをさせていただきます。
例えば、退院直後であれば、清潔など基本的な手技を踏まえた上で、それぞれのご家庭にあった方法を一緒に模索していきます。物品の位置やケアの手順の見直しなどなど。
また、ご家族の疲労感や思いをくみ取りながら、療養生活が安全に継続できるようにご家族に代わってケアを実施していくこともあります。
生活支援・相談
医療的なケア以外でも、療養生活の中で困っていることの相談を受けたりもします。
- 食事、排泄、入浴の介助
- 服薬確認
- 医療機器の扱い、福祉用具の相談
- 生活のアドバイス
- 傾聴
など支援もしていきます。
利用者様とご家族の普段の生活を支えるのも訪問看護の役割です。
在宅療養をされていると、外出がしにくかったり、日々生活の不安を抱える方も多くいらっしゃいます。ですが、病院だと医療者と話す機会も限られます。誰かに話を聴いてもらえるだけでホッと心が軽くなることも。ご自宅で普段言い出しにくい本音や隠れた困りごとに気づける機会でもあり、傾聴は大切な支援の時間になります。
助産師の訪問ならではのケア
助産師として訪問する場合、主に産後のママと赤ちゃんのお宅へ伺うことが多くなります。
- 赤ちゃんの成長発達の確認
- ママの体調や回復状況
- 授乳状況の確認、哺乳量の調整相談
- 乳房トラブルのケア
など、助産師の専門性を活かしたケアを実施することができます。
産後は体も心も不安定な時期。
近年では、少子化や核家族化による産後うつや孤立育児も課題になっています。また、産後ケア事業の普及に伴って、地域で助産師が活躍できる場所も増えてきました。

産前よりも産後の訪問の方が多いです。
妊娠中は妊婦健診もあり、お仕事をされている方もいらっしゃるのでニーズはそこまで多くないのかもしれません。
まとめ
今回は訪問看護ステーションで働く助産師のお仕事の内容をご紹介しました。
訪問看護ステーションでは、医療と共にご自宅でも安全に、安心して暮らせるためのサポートをしていきます。
助産師として働く選択肢は、病院やクリニックだけではなく、地域で働くというのも、より身近に寄り添える魅力的な場所の一つだと思います。
ご参考になれば嬉しいです。
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