悩んだ指しゃぶり。その裏にあった安心の形。

助産師ママの子育てメモ

赤ちゃんの頃の指しゃぶりは、赤ちゃんの代名詞のような姿だなと思います。本当に可愛いですよね。
眠い時や安心したいときに、ちゅっちゅっと指をくわえる姿は、見ているだけで癒されます。
私の娘ちゃんは指しゃぶりをすることはなく過ごしていたのですが、息子君の時についに見ることができました。
0歳の息子君は、片手で頭をポリポリかきながら、もう片方は指しゃぶりをしてなんともお猿さんのような恰好。面白可愛く思いながら過ごしていました。
しかし、まさかその後、こんなに頭を悩ませるものだとは予想もしていなかったのです。

かわいい指しゃぶり姿の期限

息子君が2歳を過ぎてからも、ずっと続いていた指しゃぶり。
  
歯医者さんの定期健診では出っ歯っぽいとずっと言われていました。ただ「2歳までは大丈夫ですよ。口で色んなことを感じる時期だからまだ無理やり辞めさせなくて大丈夫。」と言われていました。
けれど、気が付くといよいよ2歳のお誕生日。
歯医者さんの言うタイムリミットが迫ってきました。眠くなると必ず始まる指しゃぶり姿が、私はどんどん気になっていってしまったのです。

指しゃぶりをやめさせようと試行錯誤

まずは、歯医者さんに言われた方法を試してみることにしました。
・指をくわえそうになる時はおもちゃを渡したり、気をそらす
・眠そうになったら抱きしめて眠れるように促す
気が紛れる瞬間はあるですが、連日全敗。やっぱり眠くなる瞬間は、指しゃぶりの後押しが欲しい息子君。

つぶやき
つぶやき

こんな穏やかな方法で指しゃぶをやめるお子さんはいらっしゃるのか…。
息子君の親指への愛が強すぎるのか…。疑心暗鬼になりながらトライアンドエラーエラーエラーエラーでした。

自分なりに考えて
・全力で遊んで、指しゃぶりをする余裕もなく、息子君の電池切れを狙う!
なんて体育会系のこともしましたが、毎日となると私がついていけませんでした。
・ゆびたこ
という絵本も読んでみました。「ゆび?おばけ?こわい?」と若干引いてる感じで、いけるか!と一瞬思いましたが、眠るときにはすっかり指ちゅっちゅ開始。

そんな親指をどうしても諦めない息子君を見ているうちに、私の方が焦ってしまい、「なんでやめないの⁉」「また歯医者さんの定期健診が近づいてきた…!」とイライラしてしまうこともありました。

助産師として思い出したこと

悩みの中、保育園でふと同じクラスのお友達も指しゃぶりをしていたのを見かけました。それも一人ではなく何人も。
今、私はこんなに指しゃぶりをやめさせようと躍起になっているけれど、これだけ同級生に指しゃぶりをする子がいるってことは、指しゃぶりってこの時期の子どもたちにとってすごく大切なものなんだろうな。とふと我に返った瞬間がありました。

そして、思い出したのが、学生時代の記憶。
助産学生として学んだ授業で、フロイトの心理的・性的発達理論というものがありました。
その中で赤ちゃんには「口唇期(こうしんき)」と呼ばれる段階があったんです。
出生後~1歳半頃は子どもにとって、唇や口を通して安心感や快感を得る時期という考え方。
※専門家の間でも諸説あり。発達の一過程としての一つの考え方になります。

つまり、指しゃぶりは、ただの「癖」ではなく、自然な自分を落ち着かせる、安心する方法の一つ。
助産師として教科書では習っていたけれど、自分が目の当たりにしてみると理解が深くなるのを感じました。
息子君も、体の中で一番敏感な口を使って、安心を求めていたんだなと改めて実感しました。
焦って辞めるのは息子君にとって良くない。心の成長も大切にしてあげたいとその気づきからは数カ月そっと見守っていました。

その後、ついに購入した、あのマニキュア

気づきや学びがありながら、でも、時間は刻一刻と過ぎていきました。

2歳2ヶ月。
・出っ歯ぽい
・舌足らずな発音

どちらも娘ちゃんにはなかったことでした。
・そして、とどめに歯医者さんで「そろそろ指しゃぶりやめていきましょうか」の一言。
通院している歯医者さんが矯正もされている先生だったこともあり、私の中の決定打になったのです。

そして、私はついにあのアイテムを購入しました。
まだ早いかな、最終手段かなとは思っていた、指しゃぶり防止マニキュアを試してみました。

マニキュアを使ってみた結果

時は、夜。食後のまったりテレビ時間。息子君の眠る時間が近づいてきた頃。
娘ちゃんは面白半分でニヤニヤ笑っています。私は罪悪感の中、本人が気づかぬ間に、そっと親指の爪に塗ったのです。


味の衝撃と「なんで?」と、何度も自分の爪を確認する息子君。その後は一切指を口に運ぶことはなく…。

まさかの1日、まさかの1回で卒業!!!!!!!
それ以降一回も指しゃぶりすることなく、1年間過ごしました。
結局、マニキュアを塗ったのも、たった1回でした。

賛否両論あるかと思います。それぞれ合う合わないもあるかと思いますが、私と息子君にとってはこのマニキュアを使うのが合っていた、のだと思います。

新しい安心のかたち

そして、無事、指しゃぶりを卒業した息子君の新しく見つけた安心のかたちは…
母のインナーを手に巻き付けるになりました(笑)


おかげで母は、毎晩お腹丸出し睡眠。元々お腹を冷やすとすぐ下してしまう、お腹よわよわ族の私は、しばらく下す毎日でしたが、鍛えられたのか今では多少、夜にお腹が出ていても問題なく生活できるようになりました。

息子君が安心できるなら、それも一つの成長のかたち。
こちらのタイミングで、指しゃぶりをやめさせてしまってごめんねという私の気持ちも相まっての新しくできあがったかたちです。

おわりに

子どもの行動にはいつも理由があると思った出来事でした。
無理にやめさせようとする前に、「なぜそれをやっているのか」「何を求めているのか」、本人も気づかない大切な理由があるのかもしれません。
親としても、そんな気づかないところに思いをはせると、少し心がやわらぐヒントがあるのかも。
そして、色々試行錯誤しながら、「まぁ、いっか」と諦めたり、時には「えいっ」とやってみたり。

これからも見守りながら、一緒に成長できたらなぁと思っています。



最後まで読んでいただきありがとうございました。

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